高齢になって、病院へ行くのが難しくなった時、自宅で医療を受けられることは大きな安心材料となります。
そんな時、耳にするのが「往診」という言葉です。
しかし、「往診」と「訪問診療」の違いや、どのような状況で利用できるのか、費用はどのくらいかかるのかなど、疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
今回は、往診について、その定義や特徴、利用シーン、費用、注意点などを解説します。
在宅医療を検討されている方にとって、役立つ情報となるでしょう。

往診とは何かを徹底解説

往診の定義と訪問診療との違い

往診は、主に緊急時に、医師が患者の自宅を訪問して行う医療サービスです。
一方、訪問診療は、事前に計画を立て、定期的に医師が自宅を訪問する医療サービスです。
往診は、急な体調変化や、救急車を呼ぶほどではないものの医師の診察が必要な場合に利用されます。
訪問診療は、通院が困難な患者さんが、計画的に継続的な医療を受けるために利用します。
主な違いは、診療の計画性と緊急性の有無です。
訪問診療は同意書が必要ですが、往診には必要ありません。
また、訪問診療には「同一建物居住者」の概念があり、同じ建物内の複数人を訪問した場合、診療報酬が異なります。
訪問診療には1日1回、週3回までの回数制限がありますが、往診には回数制限がありません。

往診が必要となる状況

往診が必要となる状況は様々です。
例えば、急な発熱や激しい腹痛、呼吸困難など、緊急性の高い症状が現れた場合です。
また、普段は通院できる方でも、夜間や休日などに症状が悪化した場合にも利用できます。
その他、寝たきりなどで通院が困難な場合、自宅で医師の診察を受けたい場合なども往診の対象となります。
ただし、自己都合で医師を呼ぶことは、往診の本来の趣旨から外れるため、注意が必要です。

往診を依頼する際の注意点

往診を依頼する際には、いくつかの点に注意が必要です。
まず、かかりつけ医がいる場合は、まずはかかりつけ医に連絡することが重要です。
かかりつけ医が対応できない場合、紹介状を書いてもらうことで、スムーズに往診の手配ができます。
また、往診可能な医療機関かどうかを確認する必要があります。
すべての医療機関が往診を行っているわけではありません。
さらに、往診にかかる費用や支払い方法についても、事前に医療機関に確認しておきましょう。
往診は緊急性の高い対応であるため、対応できる医療機関の範囲（拠点病院から概ね16km以内）が限られることにも注意が必要です。

往診にかかる費用と保険適用について

往診は基本的に医療保険が適用されます。
費用は、往診料に加え、診察内容、曜日、時間帯によって変動します。
平日昼間は加算がありませんが、夜間や休日、深夜帯はそれぞれ加算されます。
また、初診料や再診料、薬代なども含まれます。
患者さんの自己負担額は、保険の種類と適用される割合によります。
具体的な費用は、医療機関によって異なるため、事前に確認することが大切です。
概算として、3割負担の場合、平日昼間は5000円～8000円前後、夜間や休日は7500円～14000円前後、深夜帯は12000円～14000円前後と、時間帯によって大きく費用が変わる可能性があります。

往診を受けられる範囲と医療機関の選び方

往診を受けられる範囲は、拠点となる医療機関から概ね16km以内とされています。
この範囲を超えると、医療費の全額が自己負担となるため、現実的には往診が困難となります。
医療機関を選ぶ際には、往診に対応しているかどうか、夜間や休日も対応しているかどうか、かかりつけ医との連携が取れているかなどを確認することが重要です。
また、医療機関の対応時間や、実際に電話を受けた際に医療従事者と直接話せる体制かどうかなども確認しておくと安心です。

往診に関するよくある質問

往診は誰でも受けられる？

往診は、緊急時や通院困難な方を対象としています。普段は通院できる方も、夜間や休日などに症状が悪化した場合は利用できます。
しかし、自己都合での利用は避けましょう。

往診は夜間や休日でも依頼できる？

夜間や休日にも対応している医療機関もあります。
しかし、すべての医療機関が対応しているわけではないため、事前に確認が必要です。
また、対応体制についても確認し、コールセンターではなく医療従事者と直接連絡が取れる体制であるか確認しましょう。

往診の際に必要な書類は？

往診には、通常、特別な書類は必要ありません。
しかし、かかりつけ医がいる場合は、紹介状があるとスムーズです。

往診後のアフターケアについて

往診後のアフターケアは、医師の指示に従うことが重要です。
必要に応じて、訪問看護などのサービスを利用することもできます。

往診と訪問診療どちらを選ぶべき？

緊急性の高い症状の場合や、急な体調変化に対応する必要がある場合は往診、計画的な継続的な医療が必要な場合は訪問診療が適しています。
どちらを選ぶべきかは、患者の状態やニーズによって異なります。

まとめ

今回は、往診について、その定義、訪問診療との違い、利用シーン、費用、注意点などを解説しました。
往診は、緊急時や通院困難な状況下において、自宅で医師の診察を受けられる貴重なサービスです。
利用を検討する際は、医療機関への確認や、自身の状態を正しく理解することが重要です。
夜間や休日、深夜帯の往診は費用が高くなること、そして拠点病院からの距離が往診可能な範囲に制限されていることを理解した上で、必要に応じて適切に利用しましょう。
かかりつけ医に相談することも有効な手段です。
在宅医療は、患者さんの生活の質を向上させるために重要な役割を果たします。

エニータイムヘルスケアコンサルティングでは、往診サービスを提供しており、患者様一人ひとりの状況に合わせた柔軟な対応が可能です。
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