COLUMN
コラム

  • 医療法人M&A種類|あなたに合うスキームは?成功事例や注意点も解説

    医療法人M&Aは、近年増加傾向にあり、後継者不足や事業承継問題の解決策として注目されています。
    しかし、医療法人のM&Aは、株式会社とは異なる制度や手続きが存在するため、専門知識がないと、適切なスキームを選択することが難しく、失敗する可能性もあります。
    本記事では、医療法人M&Aの種類やスキーム、成功事例、注意点などを網羅的に解説することで、医療法人の経営者や後継者候補が、自社に最適なM&Aの方法を選択し、成功させるための情報を提供します。

     

    医療法人M&Aの種類とスキーム

     

    医療法人のM&Aには、大きく分けて4つのスキームがあります。
    それぞれの特徴とメリット・デメリットを理解した上で、自社にとって最適なスキームを選択することが重要です。

     

    1: 出資持分の譲渡

     

    出資持分とは、医療法人の設立時に出資者が持つ権利のことです。
    社団医療法人において、出資持分がある場合に選択できるスキームです。
    このスキームでは、売り手は買い手に持分を譲渡することで、医療法人の経営権を移転します。
    買い手は、持分を取得することで、医療法人の経営に参加することができます。
    メリット
    ・手続きが比較的簡単
    ・事業承継がスムーズに行える
    デメリット
    ・売り手の負債が買い手に引き継がれる可能性がある

     

    2: 事業譲渡

     

    事業譲渡とは、医療法人が行っている事業そのものを、他の医療法人に譲渡することです。
    このスキームでは、売り手は買い手に事業を譲渡することで、医療法人の経営から撤退します。
    買い手は、事業を取得することで、医療法人の事業を継続することができます。
    メリット
    ・リスクを最小限に抑えられる
    ・必要な事業だけを取得できる
    デメリット
    ・手続きが複雑
    ・スタッフの雇用問題が発生する可能性がある

     

    3: 合併

     

    合併とは、2つの医療法人が1つになることです。
    合併には、新設合併と吸収合併の2種類があります。
    ・新設合併
    2つの医療法人が合併して、新しい医療法人を設立するスキームです。
    ・吸収合併
    2つの医療法人が合併して、一方の医療法人が存続し、もう一方の医療法人が解散するスキームです。
    メリット
    ・経営資源を統合できる
    ・事業の効率化を図ることができる
    デメリット
    ・手続きが複雑
    ・両方の医療法人の合意が必要

     

    4: 分割

     

    分割とは、1つの医療法人を2つ以上に分割することです。
    分割には、新設分割と吸収分割の2種類があります。
    ・新設分割
    1つの医療法人を分割して、新しい医療法人を設立するスキームです。
    ・吸収分割
    1つの医療法人を分割して、既存の医療法人に吸収させるスキームです。
    メリット
    ・事業を縮小・整理できる
    ・新たな事業を展開できる
    デメリット
    ・手続きが複雑
    ・従業員の雇用問題が発生する可能性がある

     

    医療法人M&A成功のためのポイント

     

    医療法人のM&Aを成功させるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。

     

    1: 早めの準備

     

    M&Aは、計画から実行まで、多くの時間と労力を必要とするため、早めの準備が不可欠です。
    具体的には、M&Aの目的を明確化し、実現可能なスキームを検討し、必要な資金を調達しておく必要があります。

     

    2: 資産の整理

     

    M&Aを行う前に、自社の資産を整理しておくことが重要です。
    具体的には、財務状況や事業内容を分析し、M&Aの対象となる資産を特定する必要があります。

     

    3: 専門家によるサポート

     

    医療法人のM&Aは、法律、会計、税務など、専門的な知識が必要となります。
    そのため、弁護士、会計士、税理士など、専門家のサポートを受けることが重要です。

     

    4: 信頼できるパートナーとの連携

     

    M&Aは、単独で行うことは困難なため、信頼できるパートナーとの連携が重要です。
    具体的には、M&Aアドバイザー、金融機関、法律事務所など、専門的な知識や経験を持つパートナーとの連携が必要です。

     

    5: 成功事例の参考

     

    医療法人のM&A成功事例を参考に、自社のM&Aを進めることも有効です。
    成功事例から、M&Aの手順、必要な書類、注意点などを学ぶことができます。

     

    まとめ

     

    医療法人のM&Aは、適切なスキームを選択し、準備をしっかりと行うことで、事業承継問題を解決し、事業の成長につなげることが可能です。
    本記事で紹介した内容を参考に、専門家と相談しながら、自社にとって最適なM&Aの方法を選択してください。

一覧へ戻る